7月22日大暑とは?🌸自然と暮らす12か月🌸今日は何の日
大暑とは?一年で最も暑い時期を心地よく過ごす食と暮らしの知恵
2025年7月22日、二十四節気のひとつ「大暑(たいしょ)」を迎えます。大暑とは、その字のとおり「大いに暑い」頃。一年で最も気温が高く、蒸し暑さもピークに達する季節です。
この時期は、体力を消耗しやすく、食欲の低下や胃腸の不調、寝苦しさによる睡眠不足など、いわゆる“夏バテ”が起きやすくなります。そんな時こそ、自然の流れに寄り添った暮らしと、体にやさしい食事で心身を整えたいものです。
暑さに負けない体をつくる、発酵の知恵
発酵食品は、日本の風土が育んだ伝統的な保存食であり、同時に夏の体を整える力強い味方でもあります。
● 梅干し・ぬか漬け・味噌・ラッキョウ・黒大蒜
- 梅干しは、強い日差しの下で干し上げられることで、太陽のエネルギーをたっぷりと吸収し、まさに夏の薬。クエン酸が疲労回復を助け、乳酸菌は腸を整えてくれます。
- ぬか漬けは、野菜の水分とミネラルを補いながら、乳酸菌と酵素で消化を助けてくれます。発酵が進むほど、栄養の吸収を助ける働きが高まり、暑さで疲れた胃腸にもやさしい存在です。
- ラッキョウは、シャキシャキした歯ごたえとともに、発酵によって生まれる特有の香り成分が腸内環境を整え、血流や代謝を促す働きも。食欲が落ちがちな時期にぴったりの名脇役です。
- **黒大蒜(くろにんにく)**は、生のにんにくを時間をかけて熟成・発酵させたもので、強い抗酸化作用とエネルギー補給力を持ちます。刺激が少なく、まろやかでフルーティーな味わいは、夏の滋養強壮にも最適です。
- 味噌汁は、発酵の力と温かさが内臓を守ってくれる存在。冷房で冷えがちな現代の夏には、ぬるめの味噌汁を1日1杯いただくのがおすすめです。具材に夏野菜や豆腐を取り入れれば、栄養バランスも自然と整います。
● 甘酒
「飲む点滴」と呼ばれる甘酒(米麹由来のもの)は、夏バテ予防に最適。ブドウ糖やビタミンB群、必須アミノ酸が含まれ、胃にやさしく栄養補給ができます。冷やしても、ぬるく温めても良く、朝の一杯にぴったりです。
やさしい重ね煮で、素材の力を引き出す
大暑の頃は、調理法にもひと工夫を。重ね煮は、素材の陰陽を整え、調味料を控えても旨味が引き立つ調理法です。
- なす、ズッキーニ、トマトなどの夏野菜は、陰性の性質を持ち、体の熱をやわらげてくれます。
- それらを重ね煮で加熱することで、素材の陰陽が調和し、冷やしすぎず、体にやさしく届きます。
- 鍋の中で静かに重ねた素材は、火を通すだけでそれぞれの持ち味が自然に溶け合い、胃腸にやさしい料理に。
たとえば、「トマト・玉ねぎ・かぼちゃ」の重ね煮に少量の味噌を溶かせば、夏にぴったりのスープになります。
● 重ね煮で引き出される、酵素と微細な発酵の力
さらに重ね煮では、低温でじっくりと45分ほど蒸すことによって、食材にもともと含まれる酵素が完全には失活せず、一部が穏やかに働き続けていると考えられます。また、同時に微生物による軽微な発酵的変化が起こっている可能性もあり、これが味や消化の良さに大きく貢献しているのです。
このようにして生まれる料理は、
- 消化吸収されやすく、
- 少量でも満足感があり、
- 栄養が体にしみ込みやすい
まさに“体が喜ぶ料理”として、暑さによって疲れた体をやさしく包み込んでくれます。

自然に寄り添う暮らしの工夫
大暑を心地よく過ごすには、食だけでなく、暮らし方の工夫も大切です。
- 朝夕の涼しい時間帯に草取りや散歩などで自然と触れ合う
- 昼は無理をせず、冷房に頼りすぎない涼の取り方を意識する(風通しや簾、うちわなど)
- 睡眠の質を保つため、夜は温かい白湯や味噌汁で内臓を整えてから休む
「大暑」は、厳しい暑さの中にも自然の力強さと豊かさが感じられる時期です。そんな時こそ、発酵の力や重ね煮など、日本に古くから伝わる食の知恵を生かし、身体の声に耳を傾けて過ごしてみませんか?

この写真は、めぐみが北九州市小倉北区魚町にて「自然食工房めぐみ」として営業していた時にプランターで育てていたユーカリです。3年ほど前に現在の北九州市若松区にある「めぐみの杜」の裏庭へ植えかえたところ、ぐんぐん伸びて、6メートルほどの高さまで育ち、そのしなやかさと逞しさに驚いています。
自然の恵みを取り入れ、暑さに負けないしなやかな心と体を育む——そんな夏の日々を、大切にしていきたいですね。
自然の恵みに感謝して~
