6月5日🌸自然と暮らす12か月🌸今日は何の日
6月5日芒種
~手仕事にいのちを込める季節~
6月初旬、二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」を迎えました。
稲や麦など「芒(のぎ)」のある穀物を植える時期――つまり、田植えの季節です。北九州でも、田んぼに水が張られ、カエルの合唱がにぎやかに響く頃となりました。
「いのちの種をまく」季節。
土に触れ、苗を植えることは、未来への希望を育むことでもあります。わたしたちの食卓に並ぶお米や野菜――その始まりに想いを馳せると、日々のごはんがいっそう愛おしく感じられます。
この季節は、いのちを大地に託す「種まき」のときであると同時に、暮らしの中の“手仕事”がにぎやかになる季節でもあります。
梅の実が黄緑色からほんのり黄色へと色づき始め、いよいよ梅仕事の始まりです。梅干しに、梅シロップ…自然の恵みをいただきながら、ひとつひとつ丁寧に仕込んでいきます。


また、らっきょう漬けの季節でもあります。皮をむく手間のかかる作業ですが、白くて美しいらっきょうを見ると、つい微笑んでしまうもの。コリコリとした歯ごたえと、ほんのりとした甘酸っぱさは、腸を整え、夏バテ予防にもぴったりです。


そして忘れてはならないのが、山椒の実の収穫です。実がぷっくりとふくらむこの時期だけの贅沢な香り。下茹でして冷凍保存しておけば、ぬか床や煮物に一年中使えて便利です。
手間のかかる作業ばかりですが、そのひとつひとつに、自然と寄り添い、いのちをつなぐ大切な意味があると感じています。
保存食を仕込む時間は、未来の食卓を豊かにする“贈り物”のようなもの。忙しい日々のなかでも、ふと立ち止まって季節の声に耳を澄ませてみませんか?
自然の恵みに感謝して~
