酵素をハサミで例えると
酵素は特定の物質を切り分ける「はさみ」のようなもの
- 特定の化学反応を促進する
- 酵素は、特定の基質(化学反応の対象となる物質)に対して選択的に働きます。
- 例: 乳酸菌が分泌する酵素は、乳糖を分解して乳酸を作ります。
- このとき、酵素が乳糖を細かく分解する動きが「はさみで切る」ようなイメージに近いのです。
- 反応を効率化する
- 酵素は、反応が起こるためのエネルギー(活性化エネルギー)を下げ、速やかに反応を進めます。
- たとえば、酵母の酵素は糖分子をアルコールと二酸化炭素に分解しますが、酵素がないとこの分解が非常に遅くなります。
- 精密な働き
- 酵素は特定の「鍵と鍵穴」の関係に似た構造を持ち、対象物(基質)を選んで働きます。
- はさみも特定の場所や形状に応じて使い分けるのと同様に、酵素も特定の基質にのみ作用します。
発酵の例で考える「酵素=はさみ」
- ヨーグルトの場合
- 酵素が乳糖(糖質)を切り分け、乳酸を生成。
- この結果、ヨーグルトの酸味や独特のテクスチャが生まれます。
- パンの場合
- 酵母が持つ酵素がデンプンを切り分けて糖に変換。
- 糖がさらに分解され、アルコールや二酸化炭素が生成されてパンが膨らみます。
はさみの例えで覚えるポイント
- 酵素は、特定の基質を切り分けて反応を進める触媒。
- ただ切るだけではなく、新しい物質(乳酸やアルコールなど)を生み出す。
- この働きが発酵食品の風味や栄養価を生む基盤となっています。
「酵素=はさみ」という比喩は、酵素の「特定の物質を分解し、新しい形に変える能力」を端的に表したものと考えられます。
20241209堀川一惠備忘録
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