発酵に係る細菌
1. 乳酸菌(Lactic Acid Bacteria)
特徴:
- 糖を乳酸に変える性質を持つ細菌の総称。
- 発酵食品の製造に広く利用されています。
主な属:
- Lactobacillus(ラクトバチルス属)
- Lactococcus(ラクトコッカス属)
- Leuconostoc(ルコノストック属)
- Pediococcus(ペディオコッカス属)
関与する発酵食品:
- ヨーグルト、チーズ、漬物(ぬか漬けやキムチ)、味噌、醤油、サワークラウト
2. 酪酸菌(Butyric Acid Bacteria)
特徴:
- デンプンや繊維を分解して酪酸(バターのような香りを持つ酸)を生成する細菌。
- 腸内環境を整える効果が注目されています。
主な属:
- Clostridium(クロストリジウム属)
- 酪酸菌として知られる**Clostridium butyricum(クロストリジウム・ブチリカム)**は、整腸剤などにも利用されます。
関与する発酵食品:
- 一部の乳製品や発酵飼料、伝統的な漬物
3. 酢酸菌(Acetic Acid Bacteria)
特徴:
- アルコールを酸化して酢酸を生成する細菌。
- 酢の製造において重要な役割を果たします。
主な属:
- Acetobacter(アセトバクター属)
- Gluconobacter(グルコノバクター属)
関与する発酵食品:
- 酢(米酢、果実酢、バルサミコ酢)
4. プロピオン酸菌(Propionic Acid Bacteria)
特徴:
- 乳酸を分解してプロピオン酸と二酸化炭素を生成。
- 二酸化炭素がチーズに穴(アイ)を作る原因になります。
主な属:
- Propionibacterium(プロピオニバクテリウム属)
関与する発酵食品:
- スイスチーズ(エメンタールチーズなど)
5. その他の細菌
- 枯草菌(Bacillus subtilis):
- 納豆の発酵に関与。
- 大豆を分解してアミノ酸を生成。
- 腸内常在菌(腸内フローラ関連):
- 人間や動物の腸内で食物繊維を発酵させ、短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸など)を生成。
- 酪酸菌やビフィズス菌が含まれます。