塩麹

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塩麹

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 塩麹(しおこうじ)は、日本の伝統的な発酵調味料の一つで、料理に旨味を加えるだけでなく、食品の栄養価を高める効果もある万能調味料です。

 一般家庭に冷蔵庫が普及し始める1955年以前、食品の保存性を高めるために、さまざまな食材が塩や味噌に漬け込まれていました。塩麹もその一つとして、季節の野菜や魚、肉を漬け込む保存方法として活用されていました。現代では、塩麹は主に発酵食品としての栄養価や美味しさを楽しむ目的で使用されています。

 この記事では、塩麹の基本的な知識から、その健康効果や活用法に至るまで、幅広くご紹介します。特に、塩麹の作り方や市販品との違い、さらにはさまざまな食材との相性についても詳しく解説し、料理を引き立てる塩麹の多様性をお伝えします。

日本における塩麹の歴史

平安時代(8世紀末〜12世紀)には発酵食品が普及

米麹を使った調味料や保存食品が、この時代にはすでに作られていたと考えられています。特に麹は、味噌や醤油の製造に欠かせない素材で、古文書にも麹に関する記述があります。
塩と麹を組み合わせた調味料も、この頃から作られていた可能性があります。

江戸時代(17世紀〜19世紀)には広がりを見せる

江戸時代になると、米麹や塩を使った調味料が庶民の間でも普及しました。この時代には、味噌や醤油だけでなく、さまざまな麹を活用した食品が作られており、塩麹に近い形の調味料も利用されていたと考えられます。

「三五八漬け」(さんごはちづけ)と呼ばれる、麹・塩・砂糖を使った漬物の技法が普及しており、塩麹の原型ともいえる発酵食品が存在していました。

コラム*江戸時代の発酵食

近代以降:一時的な忘却

明治時代以降、西洋風の食生活が徐々に取り入れられたことで、伝統的な発酵食品の重要性は次第に低下していきました。戦後の高度経済成長期(1950〜1970年代)には、市販の調味料や発酵食品が広く普及し、家庭で手作りする機会が減少する傾向が顕著になりました。さらに、この時期には冷蔵庫が爆発的に普及したことにより、保存目的で使用されていた塩麹の需要が大幅に減り、使用は限定的なものとなったようです。

現代の復活(2000年代)

塩麹は2000年代初頭から再び注目されるようになりました。特に2010年頃に健康志向や発酵食品ブームが起こり、塩麹が「万能調味料」として大人気となりました。料理研究家や食品業界がその魅力を広めたことも大きな要因です。

塩麹の作り方

めぐみで作る塩麹の作り方をご紹介します。

作り方

<材料>塩分12%の塩麹を作る

・水300g
・乾燥米糀250g
・塩75g

<作り方>
ヨーグルトメーカーを使用する場合
 材料を全て容器に入れてよく混ぜて、60度7時間にセットし、出来上がったら冷蔵庫で保管する。

 めぐみでは、タニカ電器のヨーグルトメーカーを使用しています。

常温で作る場合
 材料を全て容器に入れてよく混ぜて、そのまま常温に置く。1日1回よく掻き混ぜる。
 夏季は10日程、冬季は2週間ほどで出来上がる。出来上がったら冷蔵庫で保管する。

以前は、常温で作っていましたが、ヨーグルトメーカーを利用する事により、どなたでも簡単に、確実に塩麹が作れるようになりました。

保存

出来上がった塩麹は、冷蔵庫で保管すれば約2〜3ヶ月使用できます。また、冷凍保存すれば約1年ほど持たせることができるため、小分けして冷凍することをおすすめします。

発酵食品を手作りする際は、ご自身の五感をフルに活用し、色・香り・見た目・味わいなどをしっかり感じ取りながら、腐敗菌が増殖していないかを判断できる力を養うことが大切です。失敗することもあるかもしれませんが、その経験を通じて判断力を身につけていきましょう。

めぐみでは、料理教室を通じて、ご自身で発酵食品を安心して楽しめる判断力を育むお手伝いをしています。

塩麹の作り方や使い方の動画

塩麹の健康効果

1. 消化を助ける

塩麹に含まれる酵素(プロテアーゼやアミラーゼなど)は、食品中のタンパク質やデンプンを分解する働きがあります。これにより、消化を助け、胃腸への負担を軽減します。

  • プロテアーゼ:タンパク質を分解し、体内で吸収しやすいアミノ酸に変える。
  • アミラーゼ:デンプンを分解し、糖分に変える。

2. 腸内環境の改善

塩麹は発酵食品であるため、腸内の善玉菌を増やす助けとなり、腸内環境を整えます。これにより、以下のような効果が期待されます:

  • 便秘の改善
  • 免疫力の向上(腸は免疫細胞の多くが存在する重要な器官)
  • 肌トラブルの改善(腸内環境の改善が美肌につながる)

3. 栄養価を高める

塩麹の酵素による食品の分解は、栄養素の吸収を助ける役割を果たします。たとえば、以下のような効果があります:

  • 食材の栄養が体内で利用されやすい形に変わる。
  • 食材そのものの旨味が増し、減塩料理でも満足感が得られる。

4. 高血圧予防(減塩効果)

塩麹は塩分濃度が低めで、料理の味を引き立てるため、減塩調味料として使うことができます。塩麹を使うことで、食材の旨味を引き出し、塩分を控えながらも美味しい料理が可能です。

5. 抗酸化作用

塩麹には、発酵の過程で生成されるアミノ酸やペプチドが含まれています。これらには抗酸化作用があり、体内の活性酸素を抑える働きが期待されます。活性酸素の抑制は、以下のような効果につながります。

  • 老化の抑制
  • 生活習慣病の予防

6. 食材を柔らかくする効果

塩麹に含まれる酵素は、肉や魚を柔らかくする効果があります。これにより、咀嚼や消化がしやすくなり、高齢者や胃腸が弱い方にも適しています。

7. 免疫力の向上

塩麹にはアミノ酸やビタミンB群などの栄養素が含まれており、これらが免疫力をサポートします。さらに、腸内環境が改善されることで、免疫システム全体が強化されるとされています。

塩麹の特性を生かした調理

塩麹は、酵素の働きで、料理の旨味を引き出し食材を柔らかくする特性を持っています。これを活かした料理は幅広く、和食だけでなく洋食や中華にも応用できます。

塩麹を活かすポイント

  1. 漬け込み時間の調整
    塩麹を使った漬け込みは、短時間でも旨味を引き出しますが、一晩漬け込むとさらに風味が深まります。
  2. 加熱しすぎに注意
    塩麹は焦げやすいため、グリルや炒め物では中火以下で調理するのがおすすめです。
  3. 仕上げ調味料として使用
    最後に加えることで塩分を調整し、麹の風味を活かすことができます。

・肉や魚を塩麹に漬け込み、グリルなどで焼く又は蒸す。

・きゅうりやキャベツなど生食できる野菜を塩麹に漬けこみ、ビネガーやオリーブオイルや香辛料などでサラダやマリネに。

・白菜や大根など、食べやすい大きさに切って塩麹に漬けこみ漬物として。

・様々な野菜を食べやすい大きさに切って塩麹に漬けこみ、グリルで焼く又は蒸す。

アレンジは無限ですので、どうぞ塩麹の特製を毎日のお食事に取り入れて楽しんでみて下さい。

この記事の著者

堀川 一惠

1960年5月6日生まれ。現在は、子供3人、孫4人に恵まれて穏やかな日々を過ごしています。子供の頃から食品添加物や砂糖、化学繊維の衣服が苦手。自分が心地よく生きるために、マクロビオティックや発酵食、長岡式酵素玄米、重ね煮、50度洗い等様々な学びを実践する過程で、55歳を過ぎて、自分に化学物質過敏症や食物アレルギーがあることが分かりました。今では、自然からの恵を感謝して受け取る事で心と身体の健康を得る事が出来ています。

“塩麹” への1件のコメント

  1. […] ◎ 塩麹 […]

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