山椒の実でぬか床を元気に
山椒の実 収穫の時期
今朝、友人から山椒の実が届きました。
初夏の香りを運んでくれる、何よりうれしい贈り物です。
ほのかに柑橘のような香りを漂わせながら、鮮やかな緑色の山椒の実が実っていました。
この時期だけの旬の恵みですね。
めぐみの杜にも、一昨年植えた山椒の木が1本ありますが、残念ながら今年も実はつきませんでした。
けれど、少しずつ枝葉がしっかりしてきて、確実に育っている様子に、来年こそ…と期待がふくらみます。

北九州地方では、5月末から6月中旬ごろまでが山椒の実の最盛期。
ぷちぷちとした実の中には、清涼感のある香りとピリッとした辛みが凝縮されており、昔から薬味や保存食の香りづけとして親しまれてきました。
山椒は、3月頃から小さな若葉を広げ始め、春の料理に添えて香りを楽しむ「木の芽」としても大活躍してくれます。
そして今、葉の役目を終えて、次は実が主役の季節へと移り変わっていくのです。
山椒の実は、ぬか床や佃煮、お弁当の薬味など、私たちの暮らしを彩ってくれる頼もしい存在。
この旬の恵みを、ぜひ食卓にも取り入れてみてくださいね。
山椒の効能
山椒の香り成分には、私たちの体にも嬉しい働きがたくさんあるんです。
山椒のピリリとした香りの正体は、「サンショオール」という成分。
これは、胃腸の働きを整えてくれるほか、血行を促して体を温めてくれる作用もあるといわれています。冷えが気になる方や、食欲が落ちやすい季節の変わり目にはぴったりですね。
さらに、山椒には柑橘にも含まれる「リモネン」という成分も。
この爽やかな香りは、気持ちをリラックスさせ、ストレスを和らげる働きがあるとされています。抗菌作用や消臭効果もあるため、ぬか床の品質を保つうえでも重宝されてきました。
自然の香りが、食の楽しさと体の調子を整えてくれる。
昔から伝わる知恵には、今の私たちにも通じる大切なヒントが詰まっています。
山椒の実をぬか床に加えると元気になる
① 防腐・抗菌作用でぬか床を守る
山椒の実に含まれる香り成分「サンショオール」や「リモネン」などには、強い抗菌作用があります。
これにより、ぬか床内で増えやすい悪玉菌の繁殖を抑え、ぬか床を腐敗から守る効果が期待できます。特に夏場や、冷蔵保存が難しい環境では頼もしい存在です。
② 香りと風味の向上
山椒の実をぬか床に入れると、ぬか全体にほのかな爽やかな香りが移ります。
漬けた野菜にほんのり山椒の風味がつき、風味豊かな漬物になります。香りづけとアクセントに最適です。
③ 害虫・虫よけ効果
山椒の香りは、虫が嫌う成分でもあります。特に常温保存のぬか床では、虫よけの効果も期待できます。
山椒の実 下処理 保存
1年分のぬか漬けに使うために、この時期に山椒の実をまとめてご用意いただくのがおすすめです。
【下茹での方法(基本)】
①山椒の実を枝から外す(房ごとでも可)
②50度洗いする。
③沸騰したお湯に入れて 1~2分茹でる。
④ザルに上げて 流水でさっと冷ます。(色止めとアク抜きのため)
⑤水分をよくふき取りジブロックなどに入れて冷凍庫で保管する。
季節の恵みを暮らしに取り入れて、ぬか床も私たちの体も、心地よく整えていきたいですね。